Diary 2011. 4
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4月10日 (日)  自粛

(今更だが)「自粛する」というのは「自分で行動をつつしむこと」となってある。

大津波の被災復興と手抜き工法による原子炉の放射能漏れが続く中、神社のお祭りや各地のイベントなども「中止」という形で自粛することがほとんどだ。

どこの何を見ても「この度の被災された方に心よりお見舞い申し上げます」というコメントが貼り付けられているが、元々「お見舞い」は行うことで、申し上げることではないと思うが。

僕は、東日本大地震の翌日12日に予定していた「よかたん山田錦祭り」(兵庫県三木市)という酒蔵が集合するイベントへ足を運んだ。
(もちろん震災復興の応援イベントへ切り替えての開催を促すつもりで行った)

ずらりと並んだ兵庫県灘五郷の蔵元から来た者たちの笑顔は薄く、一つのブースで「震災への募金」を設けていたが、「どこへ寄付するのか?」という僕の問いには誰も応えることが出来なかったくらい、急遽(とりあえず)行われたのだと思う。

酒蔵のブースを廻るたび「東北の酒蔵も被災しているはず、こちらが沈んでいては駄目、こんなときこそ進んでイベントを復興支援に変えてどんどんやらないといけない」と出展の関係者に伝えた。
(被災の翌日だったせいもあり、大津波を知らない参加客もいた)

阪神淡路大地震のときも、全国各地で同様の「自粛」が行われていたが、自然災害の復興には大変な日々が長期に渡って続く、それなのに被災していない地域の活動まで控えられていては被災者の我々もかなり心許無い。
自粛されればされるほど「申し訳なさ」が募ったのだ。

確かに、被災者を例外として、完全に震災を忘れられるには辛いことだが、便宜上の都合で自粛されていたのならもっと辛いことへ変わってしまうのだ。

日本屈指の神戸酒蔵「白鶴酒造」も復興支援イベント行うなど、やっと気づいてくれたのだと思う。
http://www.hakutsuru.co.jp/corporate/news/image/110328.pdf

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4月14日 (木)  責任者の責任は?


日本は市町村の合併により、政令指定都市は既に10市を過ぎ20市に迫ろうとしている。
人口で言えば、東京の区にも都市のようなものがある。

政令指定都市は47都道府県の中にあって、各府県の知事と同等(またはそれ以上)の実権を持ち、市長が知事と対立することもしばしばあるくらいで、狭い日本の割には知事と政令指定都市の市長で60を超える大きな首長がいるのと同じだ。

合併で市町村長の数は減ったが、大きな首長の数が増えたのだから余計に「譲らぬ者たち」の権力闘争がクローズアップされる。

大阪都構想を掲げる橋下府知事は、「二重行政の根元になる大阪市は要らない、東京のように中心を区切る」と、一見は大合併のように無駄を省く手法を考案しているが、国として考えれば東京都と同様な都が増え、結局は権力の綱引きを謀ることになる。

僕も政令指定都市など「要らぬ」と思うが、道州制にしろ大阪都構想にしろ、狭い日本がもっと狭い環境になるのかも知れないとも思える。

政府も省庁の数は減らしたが、「何とか担当大臣」が増えているのを見ると、「勲章」のようなものを与えているだけで一向に稼働せず、結局は無駄を増やすことにつながっているのではないか。

「病気」で引っ込んでいた東京電力の社長の会見をやっているが、「先が見えないものは見えないんだから今は何とも言えない」と最悪の場合の責任逃れをする下準備の会見に思えた。

今の日本で、ある一定の地位についた者でなくとも、誰もが保身を考えすぎる余り、「責任は持てない」「責任は取れない」という責任者ばかりが増え続けているのではないだろうか。



4月22日 (金)  東京電力が補償すると言っても・・

福島県の原発周辺に住む人たちは本当に優しいと思う。

原発周辺20キロ内へ入る道という道で検問が行われ、その地域の住民たちは今日から急に自分の家へ戻れないという事態になった。

関西ならおそらく暴動になるだろう。

東電の社長が謝罪と補償金の一時仮払い(仮払いとはおかしい、先払いだろう)の申し入れのため福島県知事に会いに行ったが、駆け引きなのか腹がたっているのか、知事の顔色は曇ったままだった。

こう言ってはなんだが、原子力発電所を作ることに日本全国で反対派の運動があるため、どこでも原発をおいそれとは建設出来ないのが現状で、周辺の自治体や住民は電力会社から近隣対策費という金にモノを言わされて泣き泣き見逃している。

それを他地区の者は「原発バブル」とも呼んでいるが、その原発バブルのお金がまた手に入りそうだからおとなしくし見逃しているのだろうか。

それなら少しは納得出来るが、そうなると、その範囲外にまで放射能の影響が現れ出したとたんに、少しは原発で潤った以上、加害者の一派になってしまうのではないのか?

いや、元々ほとんどの国民は何らかの形で原発によって送られてきた電気を使って暮らしているのだから同罪かも知れない。

今度は日本の原発事故で、他国の生活に影響を及ぼす危険もあるため、万が一そうなった場合に日本国民は被害を与えた国々へ謝罪をして回らないといけなくなる。

それだけは何としても避けたいところだ。


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