4月14日 (木)  責任者の責任は?


日本は市町村の合併により、政令指定都市は既に10市を過ぎ20市に迫ろうとしている。
人口で言えば、東京の区にも都市のようなものがある。

政令指定都市は47都道府県の中にあって、各府県の知事と同等(またはそれ以上)の実権を持ち、市長が知事と対立することもしばしばあるくらいで、狭い日本の割には知事と政令指定都市の市長で60を超える大きな首長がいるのと同じだ。

合併で市町村長の数は減ったが、大きな首長の数が増えたのだから余計に「譲らぬ者たち」の権力闘争がクローズアップされる。

大阪都構想を掲げる橋下府知事は、「二重行政の根元になる大阪市は要らない、東京のように中心を区切る」と、一見は大合併のように無駄を省く手法を考案しているが、国として考えれば東京都と同様な都が増え、結局は権力の綱引きを謀ることになる。

僕も政令指定都市など「要らぬ」と思うが、道州制にしろ大阪都構想にしろ、狭い日本がもっと狭い環境になるのかも知れないとも思える。

政府も省庁の数は減らしたが、「何とか担当大臣」が増えているのを見ると、「勲章」のようなものを与えているだけで一向に稼働せず、結局は無駄を増やすことにつながっているのではないか。

「病気」で引っ込んでいた東京電力の社長の会見をやっているが、「先が見えないものは見えないんだから今は何とも言えない」と最悪の場合の責任逃れをする下準備の会見に思えた。

今の日本で、ある一定の地位についた者でなくとも、誰もが保身を考えすぎる余り、「責任は持てない」「責任は取れない」という責任者ばかりが増え続けているのではないだろうか。