5月2日 (金) 皐月症
今年は久しぶりに日本の首相がメーデーに向けて労働者集会に参加した。
安倍さんのカラーを出して日本を導こうという頑張りようが見て取れる。
そして兵庫県や神戸市の首長はこれからどういった協力参加を促して行くのだろう?
ただの官僚上がりじゃない!というところを見せて欲しいものだ。
意地を張らずに・・・
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5月29日 (木) 蚊帳の頃
母親が家島町出身ということもあり、子供の頃から僕は母の実家へしばしば泊まりに行った。
真浦の船着き場から10分ほどの実家は、母の兄弟姉妹が7人と両親の9人が暮らすには、やや小さめ?の家屋だったと思う。
もちろん僕が行ってた頃は祖父(祖母は早くに他界)と長男家族で6人が暮らしていたが、近くにも別の家を持っていたと思う。
路地を上がって小高い山丘の中腹にある家は、門を開けてすぐの所に庭ではなく、洗濯ものが干せる空き間があった。
その前に玄関があるのだが、玄関の手前に便所が設けられていた。屋外のトイレだ。
トイレットペーパーなど無く、和式便所の片隅に「チリ紙」が重ねて置かれていた。 汲み取りの便所は家の中に不向きだというのを、その時に感じた。
夏場に帰省してもエアコンは無く、全開の窓に網戸も無い。風の吹かないときは扇風機が頼みだった。
しかし、真夏といってもアスファルトで熱された空気が舞うのでなく、家の周りに打ち水をすれば冷風扇なみの風が入ってくる。
夜になると涼しいもんだ。
けれど窓は開けているので、カブトムシなんかが部屋の明かりめがけて突入してくる。
僕にはラッキーなことだったが、島にすむ子どもにとっては、さほど珍しいことでもなく、現在なら大和ゴキブリが飛んできたくらいのことなのだろう。 (違うか?)
そこで登場するのが「蚊帳(かや)」だった。
この時期に重宝される蚊帳は、家の中に数カ所天井からぶら下がっていたが、白くモワモワした物体が巻き上げられている様は、僕にとっては妙なものだった。
もちろん常設だったのだろう。
昼寝以外は昼間に蚊帳は下ろされず、専ら蚊取り線香と蠅叩きに蠅取り紙が吊られていた。
殺虫剤や虫さされの痒み止めも、そこら辺にあったと思う。
夜の寝るときになると、布団を囲むようにその蚊帳が吊り下げられる。
虫除けだから当然蚊帳の網目は小さい。
中に入って見上げると磨り硝子に囲まれているようで、時折窓の外に浮かぶ月の光が霞み、「幻想的だった」とはオーバーな表現だろうか。
さて、その蚊帳の中で眠るのが僕には問題だった。
蚊が入ってこないように吊られているが、人の出入りする隙間は合わせてるだけで閉じてなく、所々に隙間がある。
そこから蚊が入ってきた時の鬱陶しさは、子どもの僕にとって正に地獄絵図だ。
プーンプーンと耳障りな上に刺されたら痒い。どうしよう?と眠れない。
隣で母は眠っている。 「お母ちゃん、蚊が一杯入ってきてる」
邪魔くさそうに起きた母親は、外にあった殺虫剤を一吹、「蚊にもたまには血を吸わしたりなさい」という言葉を思い出す。
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