Diary 2019. 12
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12月2日 (月)  市場が忙しくなる

毎日の平均で30,000人は訪れていた神戸新鮮市場(兵庫区東山町〜荒田町)。

年末の3日間などは30万人を越える買い物客でごった返し、市場の周辺は車が動けない状態もしばしばあったが、阪神大震災の後はその半分以下に落ち込んだままだ。

少しずつ閉店舗もあり「シャッター通り」とまでは行かないものの、空き店舗や貸し店舗の札が貼られているのが寂しさを物語っている。

ただ、「神戸の台所」というニックネームは健在で、やはり年末の買い出し客予約客は多い。

僕の若い頃は「さあ戦争だ」と言わんばかりに12月に入ると各店が鼓舞しながら仕入れや段取りに追われる日が続いて、年末の4日間ほどは不眠不休で頑張ったものだ。

スマホやパソコンの普及で便利になり紙伝票も減っているが、僕は殆ど手書き伝票で過ごしている(少ないから?)。

身体や頭の動きも少々衰えてきた我々には楽で助かるのだが、一家を支え従業員を食わせて行くという若い経営者にとってはそうも言ってられず、着々と次への展開に勤しんでいる。

これから老いていく我々も一生懸命にサポートをして行きたい。


12月18日 (水)  空は汚れても海がキレイに…

 近年は瀬戸内海の海水が綺麗になりすぎて、魚が減っているというのを先週のニュースで知った。
 ここ数年の玉筋魚の不漁が続いているのはプランクトンなどの減少が原因だったという。

 確かに須磨の海岸も海水の透明度が上がり、少しずつ綺麗になっているが、オゾン層の破壊とやらで直射日光のUVを避けるように促され、夏の海水浴客もめっきり減っている。

 しかし、綺麗になった海では小魚が餌とするプランクトンが減り、小魚が減るとそれを餌にしている大きな魚も育たないという負の連鎖が起きているらしく、このままでは玉筋魚だけじゃなく明石のタコや鳴門の鯛までもが居なくなってしまうという危機に陥ってるという。

 「海を綺麗に」というフレーズが僕たちの子供の頃から叫ばれてたが、それは見た目の綺麗さで、本当に綺麗になってしまうとこういった弊害があると知った。

 ならば、今度はちょっと汚していけば良いのじゃないか?ということを簡単に考えがちだが、専門家によるとそうではないらしい。

 赤潮などを起こしていたプランクトンの栄養分は、山から地中を数年かけてミネラル分を含み川などから流れ出る水が必要で、そのミネラルが減っているから厄介なのだとか。

 自然が引き起こす現象なのだから、何十年いや何百年もかかる場合があると説明されて、人の力だけじゃどうしようもないことも分かってしまった。

 これらは、瀬戸内海だけに限ったものではなく、日本近海に起きていると考えられるのではないかとも言われている。

 近年近場の漁場で秋刀魚のや鰯、鯖などが不猟で、競りが初高騰したり「外国の漁業が影響してるんじゃ?」とまで言われたが、数日経つと「沖の方で大漁」という吉報があったり、やはり不漁の原因はこういった海水のミネラル不足なんじゃないのかと思ってしまう。

 以前にも伝えたことはあるが、新巻鮭の本当に美味しいものは日本産というのは昔の話、今やカナダ産のサーモンがずっと上だという専門家の意見は、こういったところにも原因があるのでは無いだろうか。

 温暖化の影響で、極地の氷が溶けて海水に流だしているというが、何千万年、何億年かけて蓄積されたミネラル分がそこにはあり、海の生き物たちは南極と北極に集合し、その後何年もかけて我々の住む近くの海水に運ばれて混じって来るという、一時は辛いが未来は明るいということになるのだろう。

 温暖化は負の連鎖ばかりではなく、寒冷化こそ我々が恐れなくてはならないのが地球規模の凄さだと思う。

 でももうちょっと僕が生きてるときに玉筋魚の釘煮が食べたい。
 玉筋魚を求めて北極にいく日は来るのだろうか…


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