4月16日 (土)  被災時の不都合

強い地震が群発している熊本。

「この後に大きな地震がくれば」と昨日地震学者が語っていたように、本震が前震となった。

地震学者に「これで一段落するだろう」と言われても、当事者や心配性な人は気が気でないだろう。

我々も同じだが、ヘリコプターからの中継を見ていると、山崩れの裾で倒壊した建物からの救助活動が、まるで蟻のように見えるほど大自然に対する人間の非力さが伝わってくる。

そのヘリコプターの音や報道のカメラが、皮肉にも作業の遅れや避難生活に支障を来すことも多々ある。救助された人を車へ運ぶのに、何人もの隊員らが被害者をシートで囲んでいる中継を見るが、本来カメラさえ無ければ作業の無駄が省け、隊員が他の場所へ行けるのだ。

生き埋めになった人の声や音を頼りに救助活動している上を、無情にもヘリコプターの騒音が邪魔をしてしまう。

「もうちょっと寄ってください」と簡単にスタジオから言うが、カメラがズーム限界ならばヘリコプターの高度を下げるしかない。

現場の空気を読んだリポーターや操縦士が、「これ以上寄れません」と気を利かす場合もあるだろうが、これでは助かる命もなくなってしまうといった最悪の結果を作る。

阪神大震災の時、避難所や活動現場へズカズカと入って来るカメラや記者を避ける人も多く、「人が気にするような格好をしていることに気遣えよ」と、文句を発する者も多くいた。