5月19日 (土)  ◎メリケン粉


ひと昔前、日本では国産小麦粉を「うどん粉」と呼び、アメリカからの輸入小麦粉を「メリケン粉」と言った。

当時は食料の国内生産、受給率も100%に近い状態だった故、食べる物にわざわざ「国産」などといった表示もなかった。

僕が子供の頃も、国産以外は「輸入物」「舶来品」「あちゃら製」「外車」と呼ばれ、「MADE IN」という文字が庶民の間でやっと気にされる時代の幕開けぐらいだった。

それよりもずっと以前に小麦粉が輸入され出したのだから、当然、国産や輸入物の棲み分けはなかったので、アメリカの小麦粉をアメリカンが訛って「メリケン粉」と呼んだ。

日本に初上陸したのでそう呼ばれるようになった、神戸の「メリケン波止場」などがその代表だ。

後に関西から関東にかけてメリケンという言葉は伝わったが、九州や東北などでは使われていなかったようだ。

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