7月13日 (水)  食文化が遺産って・・?


今日の産経新聞で「韓国がキムチを食の世界遺産に」というような内容のものがあった。

確かに食は文化であり、人間にとっては風光明媚よりも大切なものかも知れないが、世界遺産とは趣旨が違い過ぎるのではないか。

僕の生家でも「味」やその味に辿り着く技法・技術は伝統や財産となっているが「食べ物」はすべて「腐るもの」、缶詰めのように長期保存が出来るといっても数年で、高々数十年で遺産と認められるのは人間国宝(重要無形文化財保持者)くらいだろう。

キムチは朝鮮の国民的な食べ物で、韓国としては世界文化財の新分野を切り開いて世界五大食文化と数を増やし、大国の仲間入りを目指して「国の売名」を謀ろうとするのは分かるが、そう何でも世界遺産扱いされては「遺産」という価値自体の値打ちが下がってしまうだろう。

そもそも宮廷料理だけでなく、何処の国にも歴史ある「物の食べ方」は存在するが、その時代の流れによって味や趣向は変わるもので、日本の酒も「昔より今が一番旨さを競っている時代」だと酒蔵の人も言う程だ。

「お米」は朝鮮から日本へ、「唐辛子」は日本から朝鮮へと伝えた文化だという歴史もあり、その国で長年食べられているからといって遺産になる訳ではないだろう。

もし朝鮮のキムチが世界遺産となれば、韓国で食べられている殆どが中国産と言われている今、その世界遺産を支えているのは中国ということになってしまうではないか。