3月12日 (土)  被災直後に出来ること


白昼に日本の東太平洋側を襲った地震と津波は、あまりにも広範囲で、強烈なダメージを日本国民は受けている。

津波が直撃をした当日もさながら、特に一夜が明けてからは途轍(とてつ)もない悲惨な状況が次々に見えてきた。

伝えるメディアも精一杯の報道につとめ、地元のリポーターには疲労困憊も見える。

(阪神淡路大地震を経験したからという訳ではないが、「被害が拡大しています」というようなことはそれほど無かった)



今回の地震被害は阪神淡路地震の時と違って、信じられない速さでやって来た津波による被害が奥尻島やスマトラ島と同じく甚大で、我々には初めての経験といえるだろう。

全ての者が「冷静に、沈着に」と情報を発信しているが、どうしても情報が錯綜するのもこの様な非常事態には致し方ない。

今は国民が簡単に使える携帯電話のメールにも「チェーンメール」などという間違った情報を大量に流してしまう現象もあり、状況を見守る国民たちの焦りが生む言わば「周囲被害」も困ったものだが、これもよくあることだ。

特に当の被災者には、情報はおろか救援救護の手が回らず、現場の警察などが被害の拡大を避けるために「通行止め」などを行うが故に、手遅れになってなってしまうこともしばしばあり、我々も現場の警備に当たる者を説得するのに手を焼いたのを覚えている。

被災した現場には、「マンパワー」という人手の尽力が一番必要なときだが人の考え方も十人十色で、「早く何とか助けたい」と考える皆の思いは同じでも、方向がひとつ違えばそれが原因で「もめ事」になってしまう場合もしばしばあったし、同じ日本人でも方言や訛があるので言葉が上手く伝わらないこともあるだろう。

とにかく今は「もがく、足掻く」を繰り返しながら前に進めるしかなく、あまりにロングショットで見ていては、悔いが残ることが多かったのだ。

「最善は尽くすが、有効な手ばかりは無く、有能な指導者というのもそんなにはいない」

「非難は後回しにして、ここは一所懸命に手を合わせて動くしかない」

今はそのときだと思う・・・