12月21日 (火)  「商売人気質(かたぎ)」


先日、友人と家電製品について話していたら、3Dテレビを「買うか買わないか」という話題になった。

3Dテレビは、専用のメガネを掛けるのが不便で、やっぱり見なくなってしまうのではないか?という無用の長物論。

「ミニシアターのように、3Dテレビの部屋を作ればいいのでは?」
「その部屋まで行って見るのが邪魔臭くなるんじゃないか?」
といった一見贅沢な内容だが、「よくよく考えてみれば、それは本当の贅沢なのか?」という点に至った。

なぜなら、「贅沢と無駄は紙一重」だからだ。

僕らの暮らす市場は、日本でもトップクラスの集客を誇る故、日々様々な買い物客が訪れるのを実感して来た。

100歳のお年寄りから幼児までが一人で買い物に来れるような場所は市場ぐらいしかない。

交通手段もいろいろで、電車やバスは勿論、運転手付きの高級車で来る人もいる。

そんな市場で働く我々には、臨機応変力が求められるので、自然と「アドリブ能力」が備わって来る。
めちゃくちゃ忙しいときも暇なときも、それなりに取り繕うことが当たり前のように出来てしまうのだ。

ただ、やり方考え方は各店舗に差があるので、一度噛み合わなくなると意志や行動がバラバラになって纏まらない事もしばしば起きるのは辛いところだが、年末のような書き入れ時の臨戦態勢に入ると、妙にチームワークが良くなるのも不思議なところだ。

徹底的に議論して、やるときはやるといった「方程式」が身についているので、そのパワーは震災復興に大いに役立てることが出来た。

「商い」の裏に「人情」を持ち合わせているのも、下町ならではの「気骨」といえるだろう。