8月14日 (金)  神戸紀行

神戸にも「博物館」「ミュージアム」のような箱モノはたくさん出来ている。

石坂浩二、島田紳助が司会する、テレビ東京の「開運なんでも鑑定団」でも度々登場する「神戸市立博物館」や、国際的な建築家で知られる安藤忠雄が設計した「兵庫県立美術館」などは、かなりの公的資金がつぎ込まれている。

建物の維持費はもちろんのこと、所蔵する美術品や資料の購入費や、展示会用に借りてくる美術品の数々の経費も計算に入れると、莫大な数字になるだろう。

(県や市は「財産」と唱えるが、価値は変動するので何とも言えない)

元々は神戸製鋼(コベルコ)が持っていた摩耶埠頭から西にある運河沿いの土地を、震災後に「HAT神戸」という名で開拓し、そこに神戸赤十字病院や血液センターを移築し、市営公営住宅も建てた。

そこまでは何となく理解できたが、隣接する建物は市営、県営、第三セクターと無駄箱物ばかりに思える。
温泉施設に広々とした公園、防災センターや県民の安らぎ私設など、どう考えても「天下り先」としか思えないようなものばかりだ。

その中でも比較的まともな県立美術館へ日赤に通院の帰りということもあって、久し振りに足を運んだ。

知らなかった。
県立美術館は3階建てで、その3階で開かれる展示会以外の1階2階で展示されている常設会場は、ストロボを使わなければ写真撮影は自由に出来るというのだ。

「へぇ〜知らなかった」と思ったのだが、たまたまカメラを持っていたという訳ではないが、その作品の前に来て何故か思わずシャッターを切った。

それは、広い部屋でポツリと寂しげに展示されていて、一本のライトが照らす女性の立て膝に顔を埋めているブロンズの小さな像だった。

その像を見て、亡くなった自分の母親を思い出したからでもあった。

今日はお盆の夜、その母の写真を見て、三本に折り束ねた線香に火を灯した。

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