4月6日 (月)  カンブリア宮殿から「新橋三丁目のクロニクル」へ

僕が以前からよく観るテレビ番組に、テレビ東京の「カンブリア宮殿」「ソロモン流」「ガイアの夜明け」があった。

「あった」という過去形だから、今はあまり観ていない訳で、特にカンブリア宮殿は観なくなった。

最初の頃は、面白い番組だなぁと思って観ていたのだが、ゲストに選ばれた企業の社長や会長の調子が良すぎるのが何故か気になり出したのだ。

司会の村上龍が、辛口調ながらゲストを持ち上げる(台本?)も、段々と白々しく思えて来たからである。

「この社長は偉大だ」「この社長の言うことを聞いていれば間違いない」といった風に思えてならない。

確かに出演した時点では、一代で会社を伸し上げたとか、不況を乗り越えてきたという事実はあったのだろうが、それがあまりにも格好良く映りすぎるのが、どうも可笑しく感じたりもした。

カンブリア宮殿を観なくなったのは、出演した一人、ホンダ自動車の社長が、昨年に「やむなく従業員をカットする」というニュースが流れたときだった。

たった数年後も読めない現実が今ある。


昨日深夜にフジテレビの番組で、東京新橋のガード(高架)下で「バーバーホマレ」という理髪店を、現在も一人でやっている93歳の女主人を紹介していた。

ここで50年以上もやっているという、女主人の「スガ」さんの江戸弁もお客さんの髪を切る手さばきも信じられないほど実に軽妙だった。

「あたしゃまだ働けるからいいけどね、雀の涙ほどの年金なんて貰っても食ってけないよ(笑)」
「政治家が多すぎんだよこの国は、外国は日本の3分の1っくらいしかいないよぉ、ガッハッハ(笑)」と、新聞に目を通しながら語っていたり、先立たれた娘さんのハサミに呟きかけるシーンもあった。

戦後まもなく夫を亡くしてから、自分で娘二人を育てて来たというスガさんの言葉のひとつひとつが、過去から悟り、未来を見通すものだったように思えた。

とにかく、スゲェ「理髪師」・・・いや、人間だった。