2月17日 (火)  神戸紀行4

「善九郎工房」の作品で、神戸の古いビルや街並みを水彩画で描いたものが、「神戸の残り香」(切り絵師\成田一徹著)などと同じく、現存するモノも含めて、多くの神戸をセレクトした作品が密かに人気している。

そういった切り絵や水彩画で表現できる神戸もあれば、現地でしか体感できない「神戸気質」に触れるのも紀行の良いところだ。

毎回述べているように、神戸人の「気さくでありながら用意周到な性格」も大きな特徴である。

人口150万人の政令指定都市であるが故に、様々な世界のブランド商品や有名店の進出は、ほぼクリアしているが、ハードロックカフェなどの退店が示すように、流行には敏感で、大したことが無ければ廃るのも早い街である。

あのユニクロでさえ神戸三宮に出店するときには「特別な緊張感がある」と会見で言っているし、神戸が本拠地だったダイエーも、産業再生が導入される以前に、かなり縮小せざるを得なかったほどだ。

神戸という街は、キャパシティが元々狭く、神戸人には「過疎化も都会化も嫌う」資質があるのだ。
簡単に言うと、「不便なのも嫌、騒々しいのも嫌」といった、上限下限のはっきりしたところがある。

だからこそ、馴染めば住み易く、斜に構えてなかなか出さない本質も、人と人との付き合いを大切に考えるが故のことで、慣れれば人情味の溢れる環境がある街なのだ。

田舎町でもなく、大都会にもならない、あくまでも質で選ぶ「狭いゾーン」に固執する気質が、今日の神戸をつくり上げているのだと思う。

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