1月5日 (月)  教育と慣例と義理


僕は実家で、こう教わった。
「人は呼び捨てにせず、敬称をつけなさい」と。

特に母親には何度も注意されたし、他の者にもそのことを母は強調して言っていた。

僕の女友達で、小学校時代からの同級生なので、当然のようにニックネームや名前で呼んでいた女の子が、
たまたま僕の親戚で年上の従兄弟に嫁いだ。

「親戚にもなるし、年上のお兄さんの奥さんにだから、これからは○○姉さんと呼びなさい」という風に、「切り替えることが大切だ」ということを母は言っていた。

当然これは、我が家だけの常識であって、世の中では自分の祖母を「おばあちゃん」とは呼ばず、「○○ちゃん」などと友達のように呼んでいる家族もいるし、姉妹兄弟が全員、呼び捨てで会話している家族もある。

西洋なら年齢の上下関係なく、名前で呼び合うのだろうが、日本の常識、しきたりは、そうではない。

序列を重んじる日本のしきたりが、やや傾きつつある現代に警鐘を鳴らす意味で、何でもかんでも「なぁなぁ」の付き合いが多くなり過ぎて、「フランクな付き合い」というより、示しのつかない世の中になってしまっているのではないかと思う。

(新年早々堅っ苦しい話で恐縮ですが、今年も宜しくお願いします)