5月29日 (木)  「スポンジ現象化」

「梅田コマ劇場」につづき、1956年に出来た東京の「新宿コマ劇場」がこの度閉鎖される。
一時期は「美空ひばり」ら有名人の舞台などで、コマ劇場を数周囲むほど入場者の列で「蜷局(ろぐろ)」が出来た。

40年ほど前に、住民が郊外の住宅地へ「住み易すさ」を求め移り住み、住宅分布図でみると中心部にポッカリ穴が空いたような現象、「ドーナツ化」が全国各地の都市で始まった。

それと似たような現象で、商業施設や公共施設の無計画な増設が進み、至る所の古い施設が不要化で閉鎖してゆく「スポンジ化現象」が起きている。

企業の入り手がある商業施設はまだしも、大阪府や兵庫県のように巨額な負債を抱えながら、無駄なハコモノやテーマパークを造り過ぎた行政の施設には殆ど借り手が無く、閉鎖を余儀なくされるものが多い。

しかしここ数年では、その都市部の商業施設にも後継する担い手が無く、空洞化するといったスポンジ化現象が関西では既に起きている。

少子化や不景気を、全くと言っていいほど予測せずに何事も「飽和状態」に行き着くまで突き進む人間の「浅はかさ」には、どうしようもない道だけがいつも遺される。