1月16日 (水)  震災都市、神戸より

今年の成人式は旧成人の日に最も近い1月14日だったと、昨日に知人と話したあと、13年を迎える震災の話題になった。

今年の新成人は、バブル期と言われる日本が好景気の絶頂時に生まれた。
しかし物心がついた頃にはバブルは崩壊しており、「首つり自殺」「一家心中や離散」「夜逃げ」などと、ろくな思い出がなかったと思う。
さらに神戸の子どもたちは震災も経験した。

それだけではないだろうが、ここ数年の成人たちは、たくましく、しかも物事の本質を解ろうとする気質が備わっているように思える。
あまり見栄を張らないがポリシーは持っているのだ。

震災時は老若男女を問わず、アスベストが舞う中を過ごしながら暮らしていたので、いつ肺浮腫のような病気が発病してもおかしくはないのだ。

もちろん「アスベストを吸っているかも知れない、気をつけよう」という報道は聞いていたが、その時を生きるために必死だったので耳をかす余裕がなかったのが事実である。

あるテレビ番組で今年の新成人は、携帯電話の無い時代を知らずに育ったと言っていたが、今の小中学生は震災もほとんどが知らない。

安倍前総理が「戦後レジュームからの脱却」とか言っていた。
震災直後の町並みを見て僕も、終戦直後のような雰囲気だと解釈はしたが、本当の戦争は知らないし、戦後レジュームも体験してはいない。

ただ僕の住む街は震災の後、県の河川工事に伴う大水害を2回も余儀なく経験させられているためか、この13年は災害の復興、復旧に明け暮れた。

神戸市が空港や地下鉄に着手する中、様々なテーマパークを閉鎖して無用化させて行くのを横目にしながら、
自分の事業の崩壊をただただ見守るしか出来なかった辛さだけが今も残っている。

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