1月10日 (木)  姥捨(うばすて)山

子が年老いた親を山へ捨てに行くが、捨てられる親が子の帰り道に迷わぬよう木の枝を目印に折っていったという、捨てられる身でありながらも子を思い、その優しさに気付いた子が「こんなことをしてはいけない」と考えを改める話で、長野県の姨捨(おばすて)山の伝説が有名である。

「人生50年」と言われた頃から百数十年後の現在、医療の発達などもあり日本が最長寿国となっている。

がしかし、
専門家が唱えるように、元々人間の身体は5〜60でピークを迎えるのに対して、寿命だけが延びてしまっているそうだ。
だから60歳を過ぎた頃から身体のあちこちに無理が生じて来るのは自然なことであるとも言っている。

「全身に火傷を負った84の老女が救急車で病院4軒にたらい回しにされて死亡した」といった記事や、「90代の母を60代の娘が介護する中、動けなくなって・・・」という記事がテレビで取りあげられていた。

長寿国である我が国で医療過誤も問題視されているが、
そもそも80を過ぎた老人が全身火傷に耐えうる(火傷の状態もあるが)体力があるのか?が問題であると思った。

不自由な身体のまま、老後を余儀なくされている老人に対して、「自然姥捨て山現象」が起こっているのではないのかが重要なこれからの課題であり、これからの福祉制度は「介護」よりも「介護予防」が必然になるのではないかと言えるだろう。


写真は老齢化の進んだ兵庫で、震災から手つかずの市場を取材する記者とカメラマン。

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