12月10日 (月)  いい加減にしてくれ!

またまた牛肉店の不祥事・・

この度の「船場吉兆」に続いて「精肉石川屋」のJASマークの偽装が発覚した。

自分も明治時代から続く精肉店の四代目として言わせてもらうが、非常に辛くて悲しい出来事だ。

牛肉が「神戸牛」「松坂牛」などとブランド化される以前(1901年)から、牛肉店として、うちの初代などが「純神戸」「精肉店」の看板を掲げたのが始まりである。

そもそも「精肉」とは何か?
以前にも書いたが、精肉は「精米」などと少し違って、牛肉を選りすぐり販売する意で、宝石で言えば「鑑定・鑑別」する立場にあると思っている。
よって、その分野の目利き・知識の乏しい者が、商いの規模が大きいからといって、掲げてはいけないのが「精肉」というものである。

僕が唯一の選定人を務め、商標登録している「真牛(まうし)」も「精肉 真牛屋」として神戸の一店舗でしか販売していない。

しかし、子どもの頃から祖父と屠畜場へ行き枝肉の品定めが好きだった僕にとって、最近の「霜降りだけ牛」は高額で競り落とされるが、味も薄く、健康状態も悪いものが多いので、あまり興味のそそる和牛が少なくなって来ているのが業界としても残念な結果となってしまっている。

祖父の代からつき合いをしていた中西牧場の中西氏と神戸の西部市場などで会うことがあるが、その度に「こんな牛がなぜ高値をつける時代になってしまったか」という話題に尽きる。

組合の会合で出逢った獣医学博士の岡氏(兵庫農林水産技術総合センター)からも、そのとき出されていた霜降り牛を食べながら「こんな水くさい牛がなんで高値で売買されるのか?」と問われたのを覚えている。