8月4日 (金)  宍粟郡一宮町

よそのブログを見ていて「宍粟郡」という文字でふと思い出したことがある。

震災前、知人がボートライセンススクールを経営してたので少しの間だけ講習の講師を手伝っていた。
そのときの知人が田中君といって、宍粟郡出身だった。
彼が震災後、実家へ帰って揖保の糸(素麺)作りの後を継ぐことになった。
その後、僕は宍粟郡の近くにキャンプ地があるので、一泊を兼ねて一宮町まで地図を片手に、彼の実家まで久し振りに会いに行こうと車で出かけた。
近くまで来たと思ったので、通行人(村人?)に尋ねてみた。
「ここら辺で揖保の糸を作ってる田中さんちってどこかわかりませんか?」
そう聞くと、その通行人の方はこう言った。
「この辺り一帯が揖保の糸を作っとる。それに田中と言われてもどこの田中かわからん…」
そのとき僕は「あっそうですかぁ〜」と返しながら思い出していた。
(ちょっと田舎ではよくそのようなことが、あるある…忘れていた)と。
彼の携帯も番号が変わっていたし、実家の電話番号も置いて来てしまったし、細かな住所までも聞いてなかったし。
その日は、あきらめて帰らざるを得なかったのだ。