12月15日 (金)  シャガール

先日、「モディリアーニ」や「シャガール」の絵を観に、県立美術館が開催する「エコールド・パリ展」に足を運んだ。

平日の割に、来客数の多さが不思議に感じた。

兵庫県立美術館へは幾度となく行っているが、相も変わらず安藤忠雄の作った建物の特徴である「コンクリート微粉末」の香り漂う展示会場で、
これまた、カビ臭さのするような作品が、ところ狭しと並べられていた。

多くの画家や彫刻家、写真家の作品を鑑賞しながら「←」の方向へと順路に沿って、かの有名な「シャガール」の絵を目指していたのだが、気が付くと最終出口へ来てしまっていた。

あれれ…「シャガール」って無かったぞぉ? おかしいなぁと思いつつ、各展示室内ごとに、ひ〜っそりと座って、数名で待機していらっしゃる女性スタッフに、静か〜に小声で「シャガールの絵はどの辺りにございますか?」と尋ねてみた。

するとその女性スタッフが、パッと立ち上がり「何でございましょう?」と、僕の傍へ来て笑顔で聞き返してくれた。

僕の声が小さ過ぎたのだと思い、もう一度「シャガールの絵を探してるのですが」と言いなおした。

僕の耳元まで来ていたその女性スタッフは、再び笑顔で僕にこう言ってくれた。
「ハァ?」って…。しかも自分の片方の耳を傾け手をかざしながら…。

そこでやっと僕は(遠いんだぁ)と気付いた。良くよく見れば自分の母親くらいの年頃?ではないか。

元を正せば、見落した僕がいけないんだと思い、上着のポケットから入場チケットを取り出し「シャガール」と書いてある部分を指でなぞって見せた。

ようやく気付いてくれたその女性スタッフが
「あっ、どうもすみません シャガールの絵でしたら、この一つ向こうのお部屋にございます」と隣の部屋を指差してくれた。

僕はお礼を言い、早速その部屋へ向かった。

今回の目的であった「シャガール」の絵に、やっと対面することが出来た。

これは僕の主観だけで言ってるのだが、「シャガール」の「…或いは夫婦」という絵だが、その一作品だけしか無い。

な〜んや、しかも下手クソ!…に感じた(何度も言うが、完全に僕の主観ですから)。

結局この日は、階下の美術館コレクション展で、過去に何度となく観た「小磯良平」の絵に再び会って、

「やっぱり世界の小磯!」と認識したのだった…。