4月2日 (土)  自然に向かった

帰ってからというもの、あのパンダマウスが頭から離れず、インターネットで調べる日々が続いた。

パンダマウスは江戸時代から愛玩されてきた二十日鼠を改良した日本古来のもので、体長は僅かに5cm15gほど。あのミッキーマウスの元になったものとも記されいた。
ただ、どこでも手に入るわけでなく、平均寿命は1年半から長くて3年というかなり短い。それ故に今まで僕が目にすることがなかったのだろう。

二度目にカインズホームへ行ったときにはついに「触らせてもらってもいいですか?」と言ってしまい、その小さな体を両手でお水を掬うように手に取った。

ドクドクドクと小刻みに震える小さな体は、まるで怯えているかのようだったが、過去にも似たような体験を思い出した。
それは以前飼ったことのあるハムスター、小学校の頃はズボンのポケットや帽子の中に入れて連れて歩いた記憶だ。
だがパンダマウスはもっともっと小さく、噛みつくこともなく動かなかった。

今から思えばカインズホームで売られていた雄のパンダマウスは、小さなケージに長く入れられていたため、動くことを忘れていたのか、夜行性なのでおとなしかったのかも知れない。
パンダマウスはとにかくチョロチョロ動き廻る習性なのだから。

もう飼うっきゃない。完全に心は動いていた。