11月4日 (火) 本当に困ったことだ
熊が人里へ現れるたび、「駆除」という言葉が当たり前のように報じられる。 しかし、熊は好き好んで人の住む場所に出てきたのではない。 森は静かに壊され、餌となる木の実や川の魚は減り、熊は生きるために山を下りるしかなくなったのだ。それを「危険」と一言で片づける前に、なぜその状況を招いたのかを、まず人間が問われるべきではないか。
政府は、経済や開発の名のもとに自然を削りながら、問題が顕在化してから慌てて「対策」を叫ぶ。 しかし、失われた森も命も、簡単には戻らない。人も熊も共に生きられる環境をつくる責任を放棄し、今だけの便利さを優先する政治に、未来はない。
熊の悲劇は、私たち人間の無責任の鏡だ。 その現実から目を背けず、今こそ本気で「共に生きる」道を選ぶべき時である。
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